ポルト・リモーネ（Porto Limone）｜インスマート株式会社

気が遠くなるような大むかし、地球がまだ若かった頃。大地がシャボンのようにくっついたり、離れたりした末にまるで陸地が包み抱くような美しい内海が生まれ、大陸の子としての島々が浮かび上がりました。ここは、日本書紀ではイザナミ（国産みの神）が生んだとされています。

当時は、大変温暖で海には珊瑚、島々はマングローブの森だったそうです。

ヒトがこの島に棲まうようになり、たくさんの時が流れます。

その後、幾度もの争いや歴史が大きく変わるときにはいつもこの穏やかな内海がその舞台のひとつとなっていました。ある時は、華やかで時代を謳歌する人々の往来に。またある時は、悲しみや厳しい時代の波風が吹き荒れました。

この国が鎖国を解いたすぐ後、この内海で行き交う船が必ず立ち寄り船乗りたちが体を癒す“風待ちの港”に“HOTEL Villa Limone（檸檬荘）”という小さなホテルが建ちます。この島にヨーロッパ人が持ち込んで栽培が始まった檸檬という魔法の柑橘果実にちなんだとされています。

その後、港は「Porto Limone（檸檬の港）」と呼ばれました。この港は、内海に行き交う人たちの栄光や絶望や希望も運ぶ拠点でした。豊かな商人や貴婦人、戦いに疲れた兵士、流れ者に至るまで様々なドラマの出入りがありました。“HOTEL Villa Limone”はそんな人たちにもとても愛されたホテルでした。

贅沢な調度品やゴージャスな家具は見当たりませんが、その癒される檸檬の薫りと佇まいは今でも変わりません。この島にヨーロッパ人が持ち込んだ檸檬は食用だけでなく、薬用、香料、衛生用、観賞用や装飾用などさまざまな使い方ができる魔法の柑橘果実です。

生の果実だけでなくジュース、ジャム、香水、石鹸等島で作られた檸檬を使った品物が“Polto Limone”から、積み荷されます。今でも、それらを輸送する船や船員たちで賑わっています。